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    <title>稲本の隠し本棚</title>
    <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com</link>
    <description>稲本の隠し本棚・小説更新情報</description>
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    <copyright>Copyright ©2026 稲本楓希.</copyright>
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      <title>10　状況整理は紅茶を片手に - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35052</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[「さて、あらためて状況を整理しよう」
　ソーサーに乗せたティーカップを脇によけ、ロクトはガラドから受け取った資料を封筒から取り出しテーブルの上に広げる。
「これまでの襲撃回数は今日の市場を含めて五回、これが、それぞれの事件の現場写真だな」
　写真の裏に書かれた情報を元に、広げた地図に示された現場地点の位置に該当する写真を置いていく。
　事件は全て、市街地の大通り沿いで起きていた。ちょうど一週間前に起きた一回目は南側の城壁のすぐ内側、そこからギザギザ模様を描くように中心部へと向かっていく。
　現場写真ではどれも、一帯に落雷を思わせる焼け跡が無数に残っていて、さらには周囲の建物が半壊している。怒りに任せてなのか、相当激しく暴れ回ったことが窺われた。
「そしてこっちが、失踪者のリストか」
　次に封筒から取り出した、紙にまとめられた六人分のプロフィールを並べる。実業家の若い男性、織物製品の買い付け...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>20　フィーブラ紡績工場 - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35062</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[「王立図書館の依頼とあらば、そりゃあ当然協力は惜しみませんがね、ちなみになんの調査か訊いても構わないので？」
　男は単調な仕事に|倦《う》んでいるとでも言うかのように、気だるげな口調で尋ねてきた。
「ここしばらく世間を騒がせていた連続襲撃事件に関する調査です。この犯人がこの工場に勤めていたレクシオ・アウィスであることはご存じでしょうか？」
「ああ、そういえば犯人が捕まったとかって、今朝の号外新聞に載ってましたなぁ。うちの従業員だとは気づきませんでしたがね。何しろ人の出入りが多いもんで、いちいち覚えちゃいられない」
　最近の若いもんは根性が足りない、とふてぶてしく愚痴る男性の表情を観察しながら、ロクトは話を続ける。
「それで、そのレクシオ・アウィスに関する調査への協力をお願いしたいのですが」
「しかし、犯人はもう捕まったんでしょう。事件のことはそいつに直接訊いてくださいや。こちとらはそんなこ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>19　調査の再開 - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35061</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ロクトが勇み足を押さえると、キサナはまた少し気分を害したようだ。
「ロクト、あたしが危ない目に遭わないようにしてる」
「別に、そういうわけじゃない……適切な役割分担をしてるだけだ」
　表向きは言い訳をするが、実のところは半分図星であった。必要以上にキサナに過保護にしているつもりはないのだが、貧民街のような治安の悪い地域にキサナを連れて行くことに無意識のためらいがなかったとは言えない。
　そして、キサナはそれもすべてお見通しのようだった。
「いつもあたしを子ども扱いする。あたしだってロクトの助手なのに」
　そもそもキサナはマイペース過ぎて見ていて危なっかしいのだとか、正論で返すことはいくらでもできるだろうが、ロクトはそうしなかった。いつも仏頂面で分かりづらいのだが、これが不器用なキサナなりのコミュニケーションであると知っているからだ。
　それで、代わりに微笑みながらからかうことにする。
「...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>18　いまだ終わらぬ事件 - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35060</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[　翌朝、初夏の暖かな日差しにロクトは目を覚ました。場所は自然公園に設置された|蒸機動《スティメック》フォートの二階にある自分の部屋。あくびをひとつ、背伸びをし、洗面所に出て顔を水で叩き、髭を剃る。
　ハンドタオルで顔を拭いたロクトは、自分の部屋の向かいにあるキサナの部屋のドアを叩いた。
「キサナ、朝だぞ」
「……ん知らなぃ」
　しばらく間を置いてから返ってきたキサナの回答はいつものごとく、まるで獣のうなり声のよう。
「今日の朝食当番は君だろう」
「お前がやれ」
　と、あまりにも不条理でぞんざいな言葉が返ってくる。とはいえこれも、いつものことだ。
　そもそもキサナはロクトの助手だ。だから上司として、こんな不当な要求には怒っても一切構わないのだが。
「はぁ……なるべく早く降りて来いよ」
　つい譲歩してしまうのはロクトの甘さであると同時に、キサナと喧嘩するとどれだけ面倒なことになるか熟知している...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>17　インヘリット - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35059</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[「何を……何をするつもりだ！」
「|蒸機動《スティメック》に与えられた力は『継承』。彼らは倒れた仲間たちの遺志を受け継ぎ、更なる力へと昇華させる。さあ集え、マスケティアの元に！」
　ロクトが号令を下す。宙に浮いた無数のパーツたちが、一斉にマスケティアの元へと飛来した。ヘヴィアーマーの鎧、ロードランナーの外装と翼、装備されていた大剣スチームエッジ。
　それらが銃騎兵マスケティアに、そして騎乗する馬に次々と装着されていく。ロードランナーの外装が馬を包み、翼がその背に取り付けられる。ヘヴィアーマーの鎧が騎手の装備を強化し、その手にはスチームエッジが握られる。
　そうして姿を現したのは、有翼の天馬に騎乗し、大剣を両手に構える重装騎兵の|蒸機動《スティメック》だった。
「名は、そうだな……|蒸機動《スティメック》ウィングド・パラディンとでも呼んでおこうか」
　その変身を見せられ、レクシオは束の間怯ん...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>16　反撃の狼煙 - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35058</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[「うぐっ……！」
　ロードランナーの蒸気機関の心臓が爆発し、爆風がロクトに襲いかかる。被っていた中折れ帽が煽られて、地面に落ちる。
　それと同時に、ロクトの精神に激痛が走った。召喚師として充分な訓練を受けていても、エゼルを倒された時の苦痛は決して軽いものではない。
　様々な条件に左右されるが、一般的にはエゼルを三体ほど倒されると、使い手の精神に限界が来て戦闘不能になるといわれている。
「こいつが、俺の持つ最強の牙の力だ！　どんな敵だろうと、圧倒的な力で叩き潰し！　噛み砕く！」
　レクシオの大見得を聞きながら、ロクトは落ちた帽子を拾って被り直す。そして痛みを堪えながら、静かな眼差しでレクシオを見据えた。まるで、標的のあらゆる仕草を分析して、一撃を加える瞬間を見定める捕食者のように。
　セファーは、刀剣や銃器といった武器よりも使い手との精神的つながりの強い道具だ。使い手の意思はエゼルの動きに反...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>15　レクシオの切り札 - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35057</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[　直後、ヘヴィアーマーが爆砕した。機械仕掛けの体がバラバラに飛散し、健在のチャージボアだけがその場に残る。
　ロクトは爆風によって後ろへと押し込まれるが、どうにか転倒せずに耐え抜く。
「くっ……すまない、ヘヴィアーマー」
「見たかよ、俺の力！　ロクトって言ったか？　リブロシスだかなんだか知らねぇが、てめぇにこの俺の邪魔はさせねぇ！」
「何を言われようと、邪魔はさせてもらう。被害を出さないためだけではない。お前にこれ以上罪を犯させないためにも、な」
　ロクトは静かな闘志を声に乗せつつ、セファーを開いた。
「力を貸してくれ、|蒸機動《スティメック》ロードランナー！」
　一度呼び戻していたロードランナーが再び出現し、疾駆する。右側から回り込み、狙うのはチャージボアではなくその主であるレクシオだ。
「やれ、チャージボア！」
　レクシオが叫び、チャージボアが反転してロードランナーに向かって突撃する。...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>14　最後の襲撃 - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35056</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[　セグリア市の北側の住宅地には、他では中々見られないような大きな邸宅がいくつも並ぶ。広い前庭にはそれぞれ持ち主の趣向が凝らされ、調和した景観に見せかけて互いに自分の品の良さを無遠慮に主張し合っている。
　ここに住むことができるのは、セグリア市のみならずアルクラナ領全体に及ぶ影響力を持つ人間たち。恵まれた環境と恵まれた教育を与えられ、恵まれた将来を約束された恵まれた者たち。
　まさに、自分とは正反対の人種だ、とレクシオは自嘲的に考えた。
　夜の住宅地にはほとんど人通りがない。自ら働く必要すらない有閑階級は、夜の間は自らの家で優雅な休息に浸るか、あるいはどこかのパーティーにでも呼ばれているに違いない。
　今このときも汗水垂らして働き続けている工場労働者たちのことを、彼らが気に掛けることなどないのだろう。どんな思いで、死に物狂いで自らの生活を守っているかなど。
　レクシオは黒表紙に稲妻模様の入っ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>13　事件の道筋 - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35055</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[「どういうこと？」
「市役所でも言ったとおり、引っかかっていたのは『襲撃地点の選び方』だ。特にルクリス銀行……レクシオはまるで、フィーブラ紡績工場に関わる金の流れを理解しているようだった。しかしそんな知識が、世間知らずの孤児に果たしてあっただろうか？　いやもちろん、社会的に弱い立場にある人間が知恵に欠けているなどと言うつもりは毛頭ない。だがルクリス銀行を狙ったからには、そこが工場の出資元であるという知識をどこかで得たはずだ。では、それはどこか？」
　ロクトは提供してもらった労働監督署の書類の中から一枚を選び取り、キサナの前に差し出す。
「一ヶ月前に、フィーブラ紡績工場に労働監督署の立ち入り調査が入っている。領主の勅命で労働問題の取り締まりが強くなっているようだ。これはその報告書なわけだが……」
　そこに書かれている内容をざっと見て、キサナはすぐにこちらの意図を読み取ったようだ。げんなりした...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>12　掴んだ手がかり - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35054</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[「……これか。フィーブラ紡績工場。ジャン・ロット氏が買い取り、三ヶ月前に再稼働した工場だ」
　窓から夕焼けの光が差し込む市役所内のテーブルで、ロクトは事業登録書類一式を広げていた。
　市役所の業務時間はすでに終わっていたが、ロクトは申し訳なく思いつつも職権にて協力を依頼し、書類を引っ張り出して貰ったのだ。
　キサナはその横で登録書類と地図を見比べている。
「所在地はセグリア市南区アルミラ通り五番地……南部工場地帯のちょうど真ん中あたり」
「そしてこっちが被用者名簿だな」
　ロクトが引っ張り出した名簿は、再稼働して三ヶ月という短さや、決して大きくない工場の規模を考えるとやたらと枚数の多いものであった。
　しかしその違和感の原因は、中身を見てすぐに判明する。短期間に非常に多くの採用と解雇を繰り返しているのだ。それも解雇の理由のほとんどは『体調不良』である。
「……これを見る限り、あまり人に勧め...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>11　現場検証 - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35053</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[　公園から出たロクトとキサナは、大通りでタクシーを捕まえた。身分証を見せられて驚く運転手に簡単に説明すると、リブロシス王立図書館宛の領収書を切り、今日いっぱい貸し切ることにする。
「また、経理部から叱られる……移動ならロードランナーでいいのに」
「市中でエゼルを使うと目立つ。緊急時以外は、必要以上に目立つことはない。世の中にはエゼルを怖がる人間も大勢いるし、俺たちの動きがあまり知れ渡らない方が良い」
　キサナにそう答えてから、ロクトは運転手に目的地を告げた。
　まず向かったのは市立の図書館だった。そこでより詳細な地図を閲覧し、事件現場周辺の住民や施設についてメモを写し取る。
　その後、事件現場を三回目のところから順に遡って見て回ることにする。周辺で聞き込みを行い、犯人や失踪者、周辺地域に関する情報を集めていく。
　まず犯人については、織物市で戦ったレクシオと同一人物であるという確信を裏付け...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>05　セファーの戦い - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35047</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[　召喚器セファーの基本的な機能は、亜生物エゼルを召喚し操ること。だが、それ以外にもいくつか使える術がある。そのうちのひとつが、現象召喚だ。
　ヘヴィアーマーの攻撃の瞬間に発動したのは、おそらくエゼルを一時的に電流へと変化させ、危機的状況から離脱させる術。そのように、敵を攻撃したり、エゼルに影響を及ぼす特殊な現象を引き起こすのが現象召喚なのだ。
「名を問うなら、まず自分から名乗るのが礼儀だ」
　ロクトは毅然と言い放つ。といっても、わざわざ丁寧に名乗ってくれるはずもないだろう。そう思っての牽制の言葉。
　だったのだが。
「俺の名はレクシオ。この力で、くそったれた社会に鉄槌の雷を落としてやるんだ！　覚えときな！」
　どうやら、敵はかなり直情的な性格のようだ。ロクトは相手の表情を窺いながら分析する。まあ、|無辜《むこ》の市民を相手に無差別攻撃をするような人間に、慎重な判断力を期待する方が間違ってい...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>01　平和な街の片隅で - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35043</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[　青空の下、白塗りの家々の間に石畳が連なる大通り。規則正しく建ち並ぶガス灯や街路樹の間を人々が行き交う、平和な街の光景。
　オーソラル王国アルクラナ領都セグリア市では今日も、そんないつも通りの日常生活が営まれている。
　しかし、そこから少し脇に入った路地では、数人の男が緊迫感の篭もった視線を交わしていた。彼らは警察隊の濃紺の制服に身を包み、その中の一人は階級の高さを示す派手な肩章をつけている。
「いいか、犯人を発見したら即座に拘束しろ。絶対に『セファー』を取り出させてはならない」
　恐らくは隊長に当たる肩章付きの男が、隊員たちに指示を出す。その声音には厳格さと、そして隠しきれない緊張が表れている。自分たちが相手取っているものがいかに危険な存在であるかを熟知しているのだ。
　そしてそれは指示を聞く隊員たちもまた然り。中には、蛇に睨まれたように表情を強張らせている者もいる。
　捜索に関する具体...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>02　草原に走る鉄路 - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35044</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[　草原と丘、森からなる牧歌的な風景の中を、緩い弧を描きながら二つに切り分ける一条の線。
　近づけばそれが、二本の鉄のレールと無数の枕木が交差する線路であると気づく。
　そしてその線路の上を、煙の帯をなびかせながら進む蒸気機関車の姿があった。大きな黒い汽車が臙脂色の客車八両を引き連れて、朝焼けの草原を貫いていく。
　その最後尾から二番目の客車、ちょうど中央あたりのコンパートメントで、紅茶のカップを片手に思考を巡らせる一人の青年がいた。
　その名はロクト、年齢は二十二歳。ベージュ色の髪の下の目はエメラルドグリーンで、三等客車の狭いコンパートメントの壁沿いに|設《しつら》えられた長椅子に座り、中央のテーブルに並んだ数十枚のカードを見つめている。
　それらのカードは、一見すると占いに使われるもののようであった。鎧を纏う騎士、翼を広げる鳥、堅牢な砦といった様々な絵柄が、影絵のように黒い単色で描かれて...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>03　セグリア市の織物市 - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35045</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ロクトがキサナを急かしに急かし、ようやく降車の準備を整えさせた頃、ネイティア鉄道はセグリア市街地へと進入した。それまでの草原と森の景色から一転、車窓に地方都市の整った町並みが流れていく。
　セグリア市の建造物はその多くが白塗りの外壁と暗灰色のスレート葺きの屋根で構成されており、モノトーンを基調とした小綺麗な景色はオーソラル王国の中でも有数の景勝地として知られている。
　いくつかの陸橋をくぐった後、機関車が汽笛とともに減速に入る。そしてセグリア中央駅で停車したネイティア鉄道から、ロクトとキサナはホームへと降り立つ。
　改札口で駅員に切符を渡し、二人が駅の外へ出ると、目の前に広く長いセグリア市の街道が現れた。
　それも、ただの道ではない。両脇を道路に挟まれた空間に色とりどりの天幕がずらりと並ぶ、巨大な市場だった。
「これが、セグリア市の有名な織物市……」
　被った中折れ帽の鍔に手をやり調整す...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>04　晴天より降る災禍 - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35046</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[「キサナ、君は市民の安全確保を！」
「お、おいロクト……！」
　キサナが答える前に、ロクトは自ら召喚した機械仕掛けの鳥、|蒸機動《スティメック》ロードランナーの背に飛び乗った。逃げ惑う人混みをかき分けていては、現場にたどり着くのに時間が掛かってしまう。
　突然姿を現したロードランナーの姿に驚く人々をよそに、ロクトは片手で帽子を押さえつつ、思考を通じてロードランナーに指示を送った。そしてロードランナーは長い足で地面を蹴り、翼を広げて飛翔する。
　オオミチバシリとも呼ばれるロードランナーは地上を走る方が得意な鳥であるが、必要とあれば空を飛ぶこともできる。その性質を受け継いだこのエゼルも同様に、短距離ながら飛行能力を有していた。
　瞬く間に地面が遠ざかり、見晴らしのよくなったロクトの視界に、市場に吹き荒れる混乱の渦の中心が見えた。それは街道に沿って細長く続く市場の中心、そこにある円形の噴水広場で...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>07　領主館の女主人 - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35049</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[　織物市を抱える大通りを挟んで、セグリア駅と反対側に位置するのがアルクラナ領の領主館だ。その名が示すとおり、セグリア市を含めたアルクラナ領全てを統括する領主の住む館である。
　領主館前の円形広場を抜け、ロクトたちは車寄せの奥へと進む。重厚感のある木製の扉に取り付けられた蜘蛛型のノッカーを叩くと、出てきたのは小柄な女中だった。
　まだ少女と言って差し支えない面立ちの、日焼けした肌を持つ金髪の女中は、機械的なほどに正確な動きでお辞儀をした。整った女中服にはちょっと不似合いな、荒削りの木製ペンダントが揺れる。ギザギザした棒のような形だが、ぱっと見では何を模しているのかよく分からない。
　年相応の揺らぎなど微塵もない、精密時計の針の音を思わせる平坦で精妙な響きを帯びた声で女中が挨拶する。
「いらっしゃいませ。ご用件をお伺いいたします」
「リブロシス王立図書館、特務機関シャファト所属召喚師ロクト・ト...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>09　スティメック・フォート - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35051</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[「……キサナ、やっぱり蜘蛛絹が欲しいんじゃないのか？」
　領主館を出てから、ロクトが問う。本当に欲しいと言われたらどうしようかと、若干不安になりつつ。
「別に……ただ、ちょっと気になっただけ」
　他人の目がないのでいつものぶっきらぼうな口調に戻ったキサナが答えた。
「そうか。直感か？」
「まあ、そんなとこ」
　キサナは、何か考え込むように言う。変わり者で自分勝手なところはあるが、キサナに優れた感性があることをロクトは知っていた。今回も、言語化はできないとしてもキサナなりに理由があっての発言だったのだろう。
「なるほどな。何か思いつくことがあったら言ってくれ」
「分かった。ところで、これからどうする？」
　今度は、逆にキサナが問うてくる。ロクトはたった今得た情報を頭の中で反芻する。
「まずは、貰った資料を一通りさらっておきたい。そのためにも、まずは拠点の確保だな。市役所に行って申請をしてこよ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>08　南部紡績工場 - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35050</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[「南部紡績工場、ですか？」
　ロクトが聞き返すと、ガラドが頷いて地図のある地点、セグリア市の城壁外に広がる南側の工場地帯を指さした。
「この一帯には、アルクラナ領の主産業である織物業、その素材となる種々の糸を生産する紡績工場が集中しております。そして……」
　ガラドが言い淀んだところを、セルエナが引き取る。
「すべて私の不徳の致すところなのですが……この工場地帯では、労働環境問題が根深く続いているのです」
　なるほど、とロクトは地図を見つめながら得心する。近年急激な工業化が進んでいるオーソラル王国は、これまでとは比較にならない生産効率の向上による恩恵を存分に浴びて発展を続けているが、光と影の関係のように、裏では大きな問題がいくつも生まれている。
　そのひとつが、労働問題だ。工業化のもたらす莫大な利益に目の眩んだ資産家たちが、効率化を求めて労働者たちを奴隷の様に酷使するという事態が頻発してい...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>40　選択の結果 - セファー・ローダーズ　１</title>
      <link>https://inamotofuuki.kashi-hondana.com/author/page/2330/section/35083</link>
      <pubDate>Tue, 17 Jun 2025 15:16:00 +0900</pubDate>
      <description>　この世界には太古から受け継がれてきた、不思議な力を持つカードが存在した。

　召喚師は本型の召喚器セファーに収めることで、カードに封じられたものを召喚し、使役することができる。

　しかし、素質とセファーさえあれば誰でも強大な力を行使できる召喚術は、時に社会を脅かす脅威ともなりうる。

　それはすなわち、セファーを用いた犯罪の存在を意味していた。

　そのような犯罪に対抗するために、召喚術を司る公的機関であるリブロシス王立図書館には、セファー犯罪を取り締まる召喚師たち、特務機関シャファトが存在した。


表紙イラスト：穂尚　和　様（Bluesky：@hokonominagi.bsky.social）</description>
      <content:encoded><![CDATA[　領主がセファー使用規制法違反で逮捕されるという異例の事態にセグリア市が色めく中、無事に諸手続きを済ませたロクトとキサナは、実質的な小休暇を終えてリブロシスへの帰路に着くこととなった。
　セグリア中央駅に到着し売店を横目に見ると、一大スキャンダルの波に乗ろうと一斉に独自調査を始めた新聞社により、セグリア市の小綺麗な町並みの裏に隠された闇が次々と暴かれ、一面を飾っていた。
　その中には労働監督署による汚職、つまり賄賂による労働問題の見逃しが領主黙認の元で行われていたという告発記事もある。
　もちろん、報道機関というものは自社利益のためならば脚色も厭わないところがあるので、書かれている情報すべてを事実と鵜呑みにすることはできない。しかしロクトには、セルエナがこの街を覆うように張っていた目に見えない蜘蛛の巣のヴェールが剥がされたかのような感慨を抱いた。
　セルエナは未婚であり、両親も兄弟もいない...]]></content:encoded>
    </item>
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